ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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平面図形 第1回「直線と線分」

教科書のページ:p126-p128

生徒に伝える評価の尺度

  • とびらの問題や、問1から、必要な情報を抜き出してください。
  • 抜き出した情報を「数学的な用語」に置き換えてください。
  • これらの数学的な用語を用いて、説明を考えて下さい。
  • 説明を聞いてもらって、納得してもらえたらサインをもらってください。
  • 全員が、2人ずつサインをもらったら終了です。

予想される生徒の反応
 本日から平面図形の学習になる。最初は、身近な問題から取り組むが、上の尺度にも書いたとおり、ア、問題から情報を抜き出す、イ、数学的に表現する、ウ、与えられた条件にもとづいて考えたり作図したりする、など、身近な問題であっても豊富な内容をもっている。

 これらについて、教師が一方的に説明するのでなく、生徒同士が話し合いながら、みずから解決していくように導くことが大切である(教科書の指導書にも同様の解説が書かれている)。その際に重要なことは、「数学的な用語を積極的に用いることによって、自然にこれらの用語の内容や使い方について理解できる」、「教師の話を一方的に聞いたり、数学が得意な生徒の話を一方的に聞くのではなく、全部の生徒が説明できるようにお互いに援助する」ということである。

 授業の最後にまとめをやりたくなるが、原則としてやらない方がよい。たとえば、クラスの全員が2人ずつサインをもらい、「全員が説明できるようになった」とする。では、くじ引きなどで誰かを指名し、みんなの前で説明できるかというと、多くの場合、説明できない。その理由は、「みんなが注目しているなかでは、うまく説明することができなくなる」、「目の前にいる人に対して説明するときには、図などが目の前にあり、言葉だけでなく、指差ししたり、<ここからまっすぐに>などの表現を使ったりできるが、教室全体に説明するときには、この方法は使えない」などである。

 

板書の補足
 直線:小学校2年生「まっすぐな線」⇒中学校では「どこまでも伸びる」
 線分:直線の一部分で、両端があるもの

 

(授業の後半で、板書する)
 たとえば、こんな風に書いてみてはどうでしょうか。

  1. コロッセオを通り9月20日通りと並行な直線をひく。
  2. サン・ピエトロ大聖堂パンテオン神殿を結ぶ直線をひく。
  3. 2本の直線が交わったところが「左に曲がるところ」である。
  4. コロッセオを出発し、「左で曲がるところ」で直角に曲がり、まっすく進んだところにあるアパートは[エ]である。


教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生

(以下、毎回記載します・・・)

 文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

 さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

 冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。