平面図形 第6回「基本的な作図」
教科書のページ:p138-p140
生徒に伝える評価の尺度:
- プリントの問題に正しく答え、丸つけをすること。
- 「とびらの問題」で、なぜ井戸がその位置でなければらないのかを理解すること。
- 垂直二等分線と、角の二等分線の書き方を説明でき、2人の人に説明してサインをもらうこと。
予想される生徒の反応:
定規とコンパスを用いた作図の学習にはいる。「とびらの問題」は、比較的日常的な問題をとりあつかっている。ここでは、わざと定規とコンパスを使わずに作図する。
いくつかのクラスで同じ題材をあつかったが、完全に「はい、どうぞ」では、このとびらの問題がほとんどスルーされてしまって生きてこない。やはり、この問題は短時間でも板書して確認する方がよさそうである。板書する際には、コンパスは用いない。学校と診療所から等距離にある点を考えるので、垂直二等分線を利用すること。また、長老の家から最も近い所という条件があるので、垂線を考えること、の2点をサラっと説明して、あとは生徒に任せるぐらいがちょうどよいと思われる。
下の「板書の補足」のアを板書し、次のように生徒に伝える。「授業の最初に説明したことを、実際に黒板に書いてみた(黒板の文章を読んでみせる)。ここで、この文章の中の数学的な用語を◯◯に変えてみよう(イの文章に変化する)。このイの文章で、内容が皆さんに伝わるだろうか? しかし、あなたの隣の人は、もしかするとこんなふうに見えているのかも知れない。説明するときには、ひとつひとつの言葉をていねいに説明してもらいたい。そして、ひとりも見捨てずに、全員が理解できるように頑張ってほしい」。
難易度としては「とびらの問題」の方がレベルが高い。書く内容が複雑なので当然である。そこで「とびらの問題」については、正確な作図をせずに重要な特徴のみを伝えるように留意する。すなわち、2点から等しい点を集めると垂直二等分線になることと、ある点から直線までの最短距離は、垂線の長さに等しいことである。これらを「だいたいの作図」で伝えるように配慮する。
垂直二等分線と角の二等分線については、作図方法をきちん説明できるようになることを求める。数学用語を用いて、きちんと説明することは、なかなかレベルが高い。30人学級で、おおむね40分でようやく全員がたどりつくことができると予想される。
板書の補足:
- 井戸の位置を正しく求めよう
- 垂直二等分線、角の二等分線の作図方法を調べよう
- 実際に作図して、作図の方法を身につけよう
- 次の2つの文章を見比べて下さい。
- ア:学校と診療所を結ぶ線分の垂直二等分線をひく。長老の家からこの直線に垂線をひき、その交点が求める井戸の場所である。
- イ:学校と診療所を◯◯◯◯の◯◯◯◯◯◯をひく。長老の家からこの◯◯に◯◯をひき、その◯◯が求める井戸の場所である。
教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生
(以下、毎回記載します・・・)
文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。
さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。
冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。