巨大 オブジェ プロジェクト
模型をつくるのは、とても面白いですよね
空間図形を学習する際に、模型を用いていろいろな形を実際に作っています。基本的には正方形と正三角形の2種類のピースだけを使っています。もちろん、もっといろいろな形のピースがあるのですが、わざと単純なものだけに限定しています。
大きな模型をつくりたい!!
さて、通常は、これらのピースは「1x1」で組み合わせるのですが、縦横を2倍、3倍にして大きな正方形や大きな正三角形をつくることも可能です。
生徒は、自分だけで作るのも楽しいのですが、友達と協力して大きなものを作るのも楽しんでいます。やりとげたという達成感もあります。
- 生徒「先生、大きいのをつくっちゃダメですか」
- 先生「まず、本日の課題をきちんとやりとげることですね」
- 生徒「先生、問題を全部解いたんですけど、大きいのをつくっちゃダメですか」
- 先生「ひとりも見捨てないということが最優先ですね」
- 生徒「先生、次回の勉強も今日がんばっちゃって、次回に少し時間をつくってもいいですか」
- 先生「うーん。誰かを見捨てたりするようなことがあったら、ダメだよ。でも、計画的にすすめるのであれば、それはすばらしいことだよね」
- 生徒「よっしゃーっっっ」
ということで、生徒たちは頑張って「15分」という自分たちの時間を、自分たちで作りました。そして(あらかじめ各自に均等に分けられてるピースを集めて)、大きなオブジェの作成にとりかかりました。
- 生徒「まず、小さいヤツを作っておこうよ」
- 生徒「これを何倍にすればいいんだ?」
- 生徒「縦横がそれぞれ3倍になるから、全部で9枚必要だよ」
- 生徒「じゃあ、その3x3の四角いヤツをいくつ作ればいいんだ」
- 生徒「正三角形だったらいくつ、組み合わせればいいんだ?わかんねーよ」
- 生徒「3倍なら9枚、4倍なら16枚で正三角形ができるよ」
- 生徒「これとこれをつないでおけばいいだろう。あれ、そっちひとつズレてるぞ」
- 生徒「オレは、ここをおさえておくよ。オマエはそこに立って上から引っ張って」
- 生徒「ここに4つ、くっつければいいんだろ。4人で一緒にやっちゃおうぜ」
- ・・・
と、ワイワイ、ガヤガヤ、やりながら、わずか15分で「巨大オブジェ」を完成させました。以下がその写真です。
写真その1
写真その2
生徒達が作業する間に、黒板には次のように板書しておきました。
【プロジェクトをみんなで協力して実行する】
- やりとげようとする目標や目的を設定する(例、3x3のオブジェを作ろう)
- 協力するメンバーや材料などをあつめる。場合によっては、あらかじめ小さなものを作っておき、「これを作りたいから協力してくれ」と言う必要もある
- 目標に到達するための手順を考える。また、手順を参加者が共有する。
- 実際に協力しながら作業をすすめる。作業の途中では、役割分担をする(部品をつくるひと、組み合わせるひと、ささえる人、指示を出す人などなど)
オブジェが完成したあとに、生徒たちをいったん落ち着かせて、「みなさんは、こういうことを勉強していたんだよ」と伝えておきました。
【余談】
授業の最後の挨拶のときに、「ところで、皆さんは、このオブジェをつくるのに、正三角形と正方形を、いったい何個使用したんでしょうね。さて、計算できるかな?」とニヤリとしながら、言ってみました。
生徒たちは、休み時間になると、一斉に、ピースの総数について議論を始めました。