ひとりも見捨てないことを、あきらめない

学校教育、社会教育、数学、技術家庭科、Youtube、EdTech、ICT、プログラミング、その他

ポケット1つ原則

 職場にいると、まだまだ書類は、たくさんあります(本当は、電子化して検索できるといいのでしょうけれど「まだまだ」ですね)。
 外部から来る書類、職場の内部でやりとりする書類、生徒に配布する書類、生徒から集めた書類などがたくさんあます。このうち、特に重要なのは、「生徒から集めた書類」です。個人情報も含まれますし、なによりも生徒の成長のために必要不可欠な資料です。
 でも、何もしないでいると、この重要な情報が、他の文書や情報のなかに埋もれてしまいます。書類は、どんどんたまります。生徒の成長のためには、書類を短時間に整理・処理して、しかも生徒の情報が「埋もれない」ようにしなければなりません。

 このことで、私自身が実施しているのが、表題の「ポケット1つ原則」です。これは、野口悠紀雄さんの「超」整理法(1993) で紹介されている考え方です。 

 これは、情報(とくに紙媒体のもの)を、あちこちに分類して整理するのではなく、ひとつの「ポケット」に時間順に並べておくという考え方です。私達が必要とする情報は「最近の情報」がほとんどで、過去の情報はあまり見ません。学校行事でも授業でも、現在進行形のものについて確認したり、文書を確認しながら作業することがほとんどで、過ぎ去ったものは、ほとんど見ることがありません(翌年の同時期にみることはありますが)。そこで、さまざまな情報を原則としてひとつの場所に時間順に並べておき、「とにかく、その場所以外には情報は存在しない」、「その場所を見れば、確実に情報を得ることができる」、「その場所になければ、探しても無駄だから、知っている同僚に聞くしかない」という状況を作っておきます。
 探す場所は、その場所だけですから、あちこちを探し回る必要はありません。そして、その場所に置いてある情報(紙の資料)を古い方から見て、不要なものはどんどんシュレッダーしてしまいます。そうすれば、無駄な古い資料は処分できます。これも、「処分すべき書類は、その場所にしか存在しないから、その場所で古い方から処分すれば、処分すべき書類はすべて処分できる」ということになります。

 実際のところ、「現在、必要な資料」は、「終わって1か月もすると、保存してもまったく必要ない資料」になります。上に述べたとおり、資料は「ひとつの場所に、原則として時間順に」並んでいますから、パラパラと見ると、「ここから後ろは、1か月以上前の資料だな」ということが分かります。
 そこで、その資料の集まりを、順番にパラパラと見ていって、必要ないものをどんどん仕分けします。たいていの場合、「不要なもの95%、必要なもの5%」程度になってしまいます。その「必要なもの5%」も、1年もすると「やっぱり不要なもの」になります。不要なものは、シュレッダーで処理します。

 このようにして、「ロッカーにも書類がない」「机の上にも書類がない」「書類は、机の引き出しだけ」という状態が実現できます。机の上は何もない状態ですし、ロッカーまで書類を取りに行く必要もありません。すべての書類は「手の届くところ」に保存してあります。作業効率は、とても良くなります。

 なお、冒頭に述べたとおり、このような形で書類を整理する最大の目的は、「不要な書類は無くして、生徒からの情報をじっくり見る」ことです。もちろん生徒からの情報も、どんどん整理して、必要な情報だけ残して返却していきます。

 単位時間あたりに処理する仕事の量を増やし、時間を節約し、無駄な作業(探し回る作業)を減らし、労力を少なくして、余裕を増やすことが大事だと思います。

f:id:takase_hiroyuki:20190630075228p:plain