ひとりも見捨てないことを、あきらめない

学校教育、社会教育、数学、技術家庭科、Youtube、EdTech、ICT、プログラミング、その他

フィットネスの「おもしろい矛盾」

 もともと、私は運動が苦手な方でした。その私が、毎週、フィットネス・ジムに通っています。そして「フィットネスって意外におもしろいなあ」と感じています。このような「自分自身が変化する様子」が面白いので、そのことについて書いておこうと思います。

 フィットネスを始めたきっかけは、「そろそろ運動しておかないと、年齢を重ねるにしたがって、運動できなくなるだろうな」という考えでした。何か目的があって、たとえば「運動会で勝ちたい」などの目的があって始めたのではなく、「運動不足だから、運動しよう」というレベルの話です。通常であれば、このような動機づけは、非常に弱い動機づけであって、「面倒くさいから、今日は運動しないことにしよう」ということになりかねません。ところが、自分自身の場合には、このようなことになっていません。そのことが、自分でも面白いと思っています。

 さて、運動を始めるにあたって、私が一番注意したことは、「無理をすれば、身体を痛めて、そのまま運動できなくなる可能性がある」ということです。運動不足を解消するために運動を始めたのに、運動できなくなってしまうのでは本末転倒です。と、同時に、「多少の負荷をかけなければ、そもそも筋肉は増えない」というのも事実です。筋肉が増えていくのは、運動によって筋肉そのものに細かいキズを与えて、そのキズを修復するために筋肉細胞が増えていくというメカニズムがあるからです。筋肉痛という痛みは、筋肉に細かいキズを与えたことによる痛みです。

 このように、「キズを与えないと筋肉は増えない」「キズがひどいと、そのまま運動できなくなる(修復できなくなる)」という矛盾が、最初からありました。そこで私が考えたことは、「絶対に無理をしない範囲で、ギリギリのところまで負荷を高めてみよう」ということです。

 たとえば、私のフィットネスに関する記事のなかに「ベンチプレスが、何キログラム」という記述が出てきます。ベンチプレスは、あお向けに寝た状態で、両手で「おもり」を持ち上げる運動ですが、同じ重さのおもりを、10回、あげたり下げたりします。この10回で「1セット」です。そして、この運動を3セット繰り返します。1セット目と2セット目の間は、60秒間の休憩をはさみます。2セット目と3セット目の間も60秒の休憩をはさみます。

 さて、この10回×3セットの運動を、「途中で疲れたからやめた」では意味がありません。しかし、おもりはとても重いので、無理をすると関節を痛めたり、筋肉を痛めたりする可能性があります。そこで、最初は非常に軽いおもりから、少しずつ重さを増やしていきました。重さを増やす条件は、「身体のどこにも痛みがなく、無理を感じない」というものです。

 すると、ある程度の重さになると、「ちょっと無理かな」と感じるようになります。たとえば、それが 30kg だとします。「30kgを10回、3セット持ち上げることはできるけれど、それ以上増やすと無理を感じる」という意味です。30kg よりも重くしようとすると、次の重さは、32.5 kg です。30 kg では「できる」けれど、32.5 kg では「無理がある」ということになります。

 では、この「無理」というのは、どの程度の「無理」なのかということです。10回を3セットですから、1セット目は比較的ラクで、2セット目は普通、3セット目は頑張るということになります。30 kg が「できる」というのは、この1 セット目から 3セット目までラクに持ち上げられるという意味です。1セット目の10回もラクラクです。2セット目もラクラクです。3セット目もラクラクです。「だったら、2.5 kg 増やしても、きっと大丈夫だろう」と考えます。そこで、実際に 32.5 kg に増やしてみると、1セット目は、どうってことはありません。今までと同じペースであがります。60秒休んで 2セット目をやってみると、これも、まあ今までと同じペースであがります。「じゃあ、大丈夫だ。32.5 kg に増やせるぞ」と考えて 3セット目をやってみると、3セット目の7回目あたりで、「あれ。ちょっと違和感があるぞ」と感じます。9回目、10回目だと、けこう大変で、なかなか上がらなかったりします。そうすると、これは「無理な状態」と判断します。

 そこで、1セット目と2セット目は 32.5kg で、3セット目は 30kg で、ということを何週間か継続します。すると、少しずつ、少しずつ筋肉がついてきて、1か月後とか1か月半後とかに、ようやく 32.5 kg に増やせるということになります。このように負荷を次第に増やしていって、現在は、42.5 kg になっているというわけです。

 自分としては、自分の身体が実際に少しずつ変化していくのが、大変おもしろく感じます。また、トライ&エラーを繰り返して、いろいろな細かい工夫をすることができるというのが、とても面白く感じます。基本的なメニューは、フィットネスのトレーナーさんに質問したりしてつくるのですが、細かい運用については自分で工夫する部分がたくさんあります。漫然と、何も考えずに運動するということではないところが、とても面白く感じます。

 しかし、今まで、トラブルが何もなかったわけではありません。次回は、トラブルについて書いてみようと思います。

 

 ◆   ◆   ◆

  なお、念のためにお伝えしますが、私は「フィットネスを世の中に広めたい」と考えているのではありません。また、「フィットネスがすばらしいので、みんなに知ってほしい」と考えているのでもありません。以上の文章は私の「私見」であって、学術的な検証を経ていないものですので、御了承ください。

 

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/takase_hiroyuki/20190519/20190519162425.png