ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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通信制「中学校」と地域振興、その1 10/17 木

 通信制学校大手の「N高校」が、中等部の開校を発表しました。
 私は、単に学校が開校しただけでなく、全国各地の「地域」にとって、大きな意味があると考えています。その理由は以下のとおりです。 

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 N高校の中等部は通信制の学校ですから、 生徒たちは基本的には自宅で学習することになります。しかし、一年中、ずっと自宅に閉じこもっているということは考えられません。スクーリングの際には、学校に関連した施設等に出かけていくでしょうけれど、普段は、地域の図書館や公民館などの施設を利用して、勉強するだろうと思われます。

 最初のうちは、N中等部の生徒はごく少数ですが、さまざまな状況を考えると、一般の中学校に進学せずにN中等部に進学する生徒は、どんどん増えていく可能性があります。もちろん、N中等部だけでなく、他の通信制の「中学校」がさらに開設されることも考えられます。

 

 たとえば、東京からあまり離れていない、千葉県市川市の中学生の人数は、次のとおりです。

出典:http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000318504.pdf

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 ごらんのとおり、合計で9,400人ほどの中学生がいます。いまから数年後にこのうちの5%から10%が通信制中学に通うようになったとすると、500人から1000人程度の中学生が、「ふだんから、勉強のために、日中、市内をあちこちに移動する」という状況が生まれます。

 通信制高校であれば、生徒は義務教育を終えていますので、ある程度、自己責任でも大丈夫でしょうが、中等部となると、小学校を卒業したばかりの子どもたちも含まれてきます。子どもたちの安全のことを考えると、いくら通信制学校の子どもの安全は、家庭の責任」といっても、何らかの対策が必要になってくるだろうと思います。また昼食の準備などについても、公的な仕組みがあれば、親御さんとしても助かることでしょう。

 前述したとおり、通信制学校はN中等部だけではありませんから、このような仕組みをひとつの学校が請け負うのは適切とは思えません。おそらく自然発生的に、「子どもたちが集まって、一緒に勉強する場所」が生まれてくるだろうと思います。

 その場所に来るのも自由、そこから自宅に戻るのも自由。年齢の違う子どもたちが、ひとりで勉強したり、一緒に勉強したりという場が生まれるだろうと思います。当然、大人の手も必要ですから、地域の比較的高齢の方に、半分ボランティアで面倒をみていただくことになるかも知れません。そうすると、大人(老人?)と子どもとが、一緒に学習する場になります。

 学習に関しては、通信環境の整備が必須です。まずは、生徒たちが学習のためにWifi等を利用しますが、それと同時に、御高齢の皆さんにも子どもと一緒にWifiを利用していただくことになります。そうすると、スマホやインターネットなど、御高齢の皆さんには「高い壁」だったものが、子どもたちのチカラも借りて、みんなが使えるものになっていくだろうと思います。

 さらに保健所と連家すれば、子どもたちも高齢の人たちも、そういう場で健康面に関する簡単なケアが受けらるようになると思います。

 このような学習・健康・交流としての地域センターが生まれれば、それを核にして地域の活性化が進んでいくだろうと考えています。

 

⇒ 通信制「中学校」と地域振興、その2
http://manabiai.hatenablog.com/entry/2019_10_19

地域での課題の発掘、地域での起業についてです。

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