通信制「中学校」と地域振興、その2 10/19 土
前回、通信制「中学校」と地域振興について、「地域のセンター」が生まれるということを述べました。
上の記事で述べたことは、「中学生と御高齢の皆さんが集まるようなセンターができれば、その場が地域振興の核になるだろう」という趣旨です。
本日は、「中学生と御高齢の皆さんだけでなく、働き盛りの人たちにとっても有意義であり、中学生にとっても将来の自分の就職にプラスになる」ということを述べようと思います。
通信制の学校は、現在の教育関連法規の仕組みを最大限に利用して、さまざまな新しい取り組みをしています。
知識・理解については、ひとりひとりの生徒の力量に合わせながら、効率よく、着実に理解できるような仕組みがあります。しかしながら、最も大切なことは(最も大切だと高瀬が考えることは)、「これらの知識を利用しながら、多くの人と協力しつつ課題に取り組んで、課題を解決していく学習」だと思います。このような学習の仕方を、「問題解決型学習」、「問題にもとづく学習」、プロジェクト・ベースト・ラーニング( Problem Based Learning、略してPBL)と呼んでいます。
通信制の学校においても、PBLは積極的に取り入れられています。単に「生徒と学校」の関係だけでなく、Slack や Zoom 等のさまざまなツールを用いて、生徒同士が交流しながら問題を解決していくという取り組みが、実際に行われています。高等学校においては、さまざまな分野について、相当に高度な内容を含めて、課題に取り組んでいると思われます。
では、通信制の中学校では、どのような課題がPBLの課題として適切なのでしょうか。
私は、中学生の発達段階を考えると、やはり「身近な課題」、「肌で感じることができる課題」に取り組むのが適切だろうと思います(もちろん、さらに高度な内容に挑戦することは自由です)。そうすると、その題材は、先日の述べた「地域のセンター」で見つけることになるだろうと思います。
念のために書きますが、地域のセンターは必須ではありません。それぞれの地域に、さまざまな通信制の学校に通う、雑多な中学生が増えてくると、自然発生的に地域のセンターのようなものはできてくるだろうし、またそういうものを少しずつでも、できるところから整備しなければならないだろうと思います。
しかし、いずれにしても、そういう「人の集まる場所」はできてくるでしょう。生徒たちは、さまざまな人達が集まる場所で、自分たちの「課題」を見つけていくだろうと思います。
これらの課題は、「その地域に特有の、その地域の人たちのためになる課題」です。その地域の人たちが必要としているサービスです。つまり、これらの課題は、そっくりそのまま「地域に根ざした起業のアイデア」につながるだろうと思われます。会社組織にすれば、そのまま地域の子どもたちが働く場になっていくだろうと思います。
地域のセンターで子どもたちが学習し、地域のセンターで課題を見つけ、その課題を解決するために仕事をつくりだしていけます。これは、地域に根ざした学習の場があるからこそ、できることです。
いままでの「学校」では、子どもたちが直接、地域の課題に触れることは難しく、何らかのフィルターを通して触れることがほとんどでした。通信制の「中学校」であれば、地域の子どもたちが、直接、地域の課題に触れることが可能だろうと思います。