ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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変化と対応 第13回「4章の章末問題」

教科書のページ:p123-p124

生徒に伝える評価の尺度:

  • 関数の式の求め方について、もう一度確認し、比例の式や反比例の式の求め方が説明できるようになる。
  • ある点を関数のグラフが「通る」ことと、その点の座標を関数の式に代入して等号が成り立つことが密接に関連していることを理解し、説明できるようになる。
  • [6]では、変域の考え方について確認し、説明できるようになる。
  • [7]では、「xを決めるとyがひとつに決まる」ということを確認し、xからyを求める方法についても説明できるようになる。

 

予想される生徒の反応:
 前回に引き続き、章末問題に取り組み、学習内容全体について理解を深める。このうち、[1]では、「グラフが、点(2,-1)を通る」ことについて、「x=2,y=-1を関数の式に代入して等号が成り立てば、その関数のグラフが点(2,-1)を通る」ということを生徒自身が発見し(実際には発見ではなく誰かに教わっている可能性が高いが)、その発見が学級全体に広がっていくことを期待したい。
 このことに対する「呼び水」として、授業の最初に、「点(2,-1)を通るか通らないかということについて、いちいちグラフを書いているのは面倒くさいと私(=先生)は思う。実は、秘密の方法があるので、できれば皆さんに発見してもらいたい」という話をしておき、実際に生徒が「発見」した場合には、「おおおっっ。▲▲君(さん)が、すごい方法を見つけたみたいだぞ」と大きな声でつぶやければ、学級のみんながその場所に集まってきて、あっという間にノウハウが全体にひろがっていく。
 また「代入して等号が成り立つ」という表現そのものは、方程式の解を考える際に現れている(授業番号はC01)。2年生の1次関数と連立方程式にも通じることなので、今後、くり返し生徒に伝えていくことが必要だと思う。
 [6]では、変域の表し方は、0 <= x <= 10 であり、等号が含まれることを、なんらかの形で抑えておく必要がある。
 [7]では、表の形にして表すと、比較的簡単に y = 2^x - 1 という「考え方」までたどりつくことが期待できる。ただし、「 y = 2^x - 1 」という式そのものは、指数関数であるから生徒の力だけで導くのは難しいと思われる。これについては、「こんな風に表すんだよ」と、サラリと y = 2^x - 1 という式を紹介し、生徒に触れてもらうのが妥当だと思われる。

 

板書の補足:

  • 関数について(D01)
  • 座標について(D05)
  • 式の求め方(D03,D08)
  • 「通る」⇒「代入して等号が成り立つ」(C01★最重要★)

 

教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生

 

(以下、毎回記載します・・・)

 文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

 さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

 冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。