ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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「お誕生日おめでとう」

 私が担任する学級で、過去にずっと続けていることです。特に、私の専売特許ではなく、日本全国、いたるところで似たようなことをやっているだろうと思います。

 A君の誕生日が、12月1日だったとします。この場合、前日の「朝の会」と「帰りの会」、そして当日の「朝の会」と「帰りの会」の合計4回にわたって、A君の誕生日をお祝いします。やり方は、次のとおりです。

  • 担任「さて、みなさん、明日は(今日は)A君の誕生日です。誕生日、おめでとう」
  • 全員で拍手。

これだけです。これを4回、くり返します。

 

 一応ルールがあって、「拍手するときには、手のひらと手のひらをぴったり合わせるようにし、3秒以上継続しなければならない」となっています。また、誕生日が土日や祝日の場合には、その直前の授業日2日間を使って、合計4回やります。長期休業中に誕生日がある生徒については、ぜんぶまとめて、休み前に最後の2日でお祝いします。本人が何か言いたそうな顔をしていたら、本人にコメントを求めることもありますが、原則として「拍手したらおしまい」です。

 

なぜ、誕生日を祝うのか?

 ひとつは、誕生日は全員に平等であるということがあります。また、「満年齢の考え方」により年齢が増えるのは誕生日の前日であり、誕生日は「歳が増える日」ではなく、「その人が誕生したことを祝う日」であることを、どこかで解説しておきます。その人の生命が大切であることを、すべての生徒に対して平等に伝えていきます。

 このことは、『学び合い』の「ひとりも見捨てない」という考え方につながると私は思っています。すべての人が、ひとりひとり大切な生命をもっているということや、その人がこの世に生をうけたことを等しく祝うとともに、その人の幸せをクラスのみんなが、決してあきらめずに追求していくことを確認することになります。そのほか、いろいろな意義が含まれてくると思います。

 誕生日をお祝いするのは、担任ではありません。担任は「おめでとう」と言いますが、それはクラスの仲間の拍手の呼び水に過ぎません。本当に祝うのうは、同じクラスで苦楽を共にしている仲間たちです。そういう仲間がたくさんできるように、あれこれ策を練っています。