ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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平面図形 第5回「垂直二等分線、練習問題」

教科書のページ:p136-p137

生徒に伝える評価の尺度:

  • 垂直二等分線とはなにか、文章で説明しなさい。
  • 直角二等辺三角形とはなにか、文章で説明しなさい。
  • 練習問題[1]を正しく答え、丸つけしなさい。
  • 「2点ABから等しい距離にある点は、線分ABの垂直二等分線上にある」という文章は、どのような意味か説明しなさい。2人にの人に、納得してもらえるように説明して、サインをもらいなさい。

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予想される生徒の反応:
 中点と垂直二等分線、および直角二等辺三角形について、本時で初めて学習する。

 ここでは、垂直二等分線を作図するときに、まだコンパスを使用しない。授業の最初に板書で垂直二等分線について説明するが、2点ABを線分でつないでから、ABの長さを測ってみせて、その半分のところに点をうつ。また、三角定規の直角を用いて、垂線を書くようにする。

 このようにすると、生徒も同様に、三角定規を利用して作図するようになる。作図のための時間が大幅に短縮されることと、「定規とコンパスを用いて作図したものが、本当に垂直二等分線になっているか」を確認する手間をはぶくことができ、本時の学習内容に集中することができる。

 また、垂直二等分線の性質として、教科書には「2点から等しい距離にある点は、その2点を結んだ線分の垂直二等分線上にあります」と記載されている。このことについて、具体的に、いくつかの点をとり、それらを結ぶと垂直二等分線になるということを実演してみせる。

 この作業は、生徒自身もプリント等を利用して各自が実施する。この作業を通じて、次の時間で学習する「垂直二等分線の作図」の準備を行うことができる。

 なお、練習問題[1]で初めて直角二等辺三角形が出てくるので、「直角二等辺三角形とはなにか」という発問に答えることによって、直角二等辺三角形について理解が深まると考えられる。練習問題では平行移動や回転移動、対称移動について答えるが、点の対応については、あまり厳しく指導しないようにする。文中に「90度の回転移動」という言葉が出てくるが、「正方形の対角線は互いに垂直(=90度)で交わる」ということが分からない生徒もいる。生徒同士で学び合う際には、教える側がこのような点も含めて、ていねいに解説することが期待できる(実際にそのように説明しながら教えていた)

板書の補足:

  • 垂直二等分線とは何か、直角二等辺三角形とは何か、調べよう。
  • 練習問題[1]の問題に正しく答えよう。
  • 県や市のマークについて、図のなかからもとになる図形をみつけ、どのように移動したのかを調べて発表しよう。

教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生

 

(以下、毎回記載します・・・)

 文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

 さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

 冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。