ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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正の数・負の数 第16回「いろいろな計算」

教科書のページ:

p40~p41

生徒に伝える評価の尺度:

  • 「2乗」「3乗」「指数」について理解する。
  • 加減と乗除では、乗除を先に計算することを理解する。
  • 問1から問4まで合計16問を解き、答え合わせをする
  • (-2)^4と-2^4の違いについて説明し、2人の人からサインをもらう。

 

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予想される生徒の反応:

本時では、累乗の計算と四則計算を一度に学習する。通常の授業であれば累乗の計算で1時間、四則計算で1時間必要だが、アクティブ・ラーニングの授業であれば、両方をしっかり学習しても1時間で終わってしまう。

指数については、次のような間違いをする場合がある。

 5 X 5 X 5 = 5^2

これは、なぜ2乗になるかというと、「X」の記号が2つあるからである。そういう間違いをしてしまう生徒が実際に居る。そこで、授業の冒頭で指数について説明するときに上のことを例示し、「このような誤解をする人がいるかも知れないので、お互いによく見てほしい」とうながす。

また、加減だけ、あるいは乗除だけならきちんと計算できる生徒も、四則計算ではどこを先に計算すべきか分からずに間違えることが多い。これも、板書を自分のノートに写しているだけでは、計算の順序まで考えることができないので、きちんと学習できない。お互いに教え合い、学び合うなかで、それぞれの生徒の弱点が見えてきて、友人の助けを借りながら修正していくことができる。

なお、いままでの計算では、途中式をノートに書かなくても、与えられた式のとなりに直接答えを書くことが可能であった。本時以降は、計算に手間がかかるために、途中式をノートに書く必要がでてくる。これについても、お互いに「どのような書き方が、わかりやすく間違いが少ないか」を交流しながら、少しずつ適切なノートの取り方ができるようになっていく。

板書の補足:

特に、(-2)^4 と -2^4 の違いをしっかり理解しよう

教科書:

未来へひろがる数学(啓林館)

学年:

中学校1年生

(以下、毎回記載します・・・)

文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。

文責:高瀬浩之