ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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文字の式 第5回「式の値」

教科書のページ:

p56~p57

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生徒に伝える評価の尺度:

  • 問1から問6まで解いて、答え合わせをしなさい。
  • 間違いは、正しくなおしなさい。
  • 「代入」とは何か、自分の言葉で他の人に説明し、納得したらサインをもらってください。
  • 2人からサインをもらったら、黒板に◯を書いて下さい。

予想される生徒の反応:

文字に数を代入する練習である。このあと、一次方程式の単元で、「解とは、もとの方程式に代入して等号がなりたつものである」と学習する。そのための準備にもなっている。

「代入」は、元の文字を取り去って、かわりに数を置く、という作業を行う。このときに、「元の文字を取り去ることを忘れる」という間違いが多い。また、文字式の表し方にしたがって、「かける」の記号を省略したりしているが、数を代入する際には、「かける」の記号などを復活させなければならない。逆に言うと、代入について学習することによって、文字式の書き方のルールを再度確認することもできる。

また、マイナスの数を代入する際には、その数をカッコで囲む場合が多い。これも、「どのような場合にカッコで囲むのか」が、なかなか理解しがたい部分である。

授業の冒頭では、まず「代わりに入れる」ということについて触れたあと、「かけるの記号を復活させたり、マイナスの数はカッコで囲んだり、いろいろな場合があるので、よく練習してください」と、全体に伝え、あとは生徒に任せてしまう。このようにすると、早い生徒は10分ほどですべての問題を解いてしまう。あとの時間は、学級全体が理解するための時間である。ひとりひとりのつまづく点は異なるので、個別に対応しながら学級の全員が理解できるように努力していく。


板書の補足:

  • 「代入」とは「代わりに入れる」ことです。
  • もとの文字を消して、代わりに数を入れて下さい。

教科書:

未来へひろがる数学(啓林館)

学年:

中学校1年生

(以下、毎回記載します・・・)

文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。

文責:高瀬浩之