「学校は、楽しいところではありません」・・・<帰りの会>でのお話
金曜日は、午前中は、普通の授業。午後は「3年生を送る会」に向けての準備や練習でした。学級の生徒たちは、それぞれ自分の役割に熱心に取り組み、難しい部分については互いに補いあい、また助けあって行動していました。学習にも行事にも、一生懸命に取り組む姿は、見ていて微笑ましいものです。
最近では、奇声を発することはもちろん、生徒が教室内で大声を出すことも次第になくなり、なにか作業をしているときでも、「さわさわさわ」という感じで会話することが多くなりました。意見交換しているときの表情は、真剣そうな顔をして意見をたたかわせているか、あるいは笑顔で話しているかのどちらかです。
そんな様子をずっと見ていたあとの、<帰りの会>での私の話しです。
「今日も、授業や、3年生を送る会の準備など、とても一生懸命に取り組んでいたと思います。皆さんの様子を見ていると、お互いに力を合わせ、とても楽しそうに活動していました。
ところで、いつも言うことですが、学校は勉強するところです。楽しいところではありません。もしも皆さんが、楽しく楽しくて仕方がないのであれば、それは危険信号です。
皆さんは、大人になるために勉強しています。大人になるということは、今までの子どもだった頃の自分を否定することです。この部分がダメだ。あの部分を改善しよう、というのは、辛くて大変だと思います。
いま、皆さんは「3年生を送る会」の準備を頑張っています。その3年生は、公立学校の前期試験が終わり、不合格だった人は後期試験に向かって準備しているところです。そういう3年生にメッセージを届けるためには、皆さんは本気で頑張らなければならないと思います。でも、本気で頑張るのは、辛くて大変だと思います。
また、3年生はいま受験の真っ最中ですが、2年後には皆さんが受験生です。それまで、皆さんはマラソンみたいにずっと勉強しなければなりません。でも、勉強をずーっと続けるのは、とても辛くて大変だと思います。
大人になるのも辛い、勉強も辛い、3年生を送る会も辛い。そういう辛さを乗り越えるには、仲間をつくって力をあわせ、一緒に乗り越えるしかありません。
しかも、現在のこのクラスは、あと1か月でバラバラになります。4月からは新しいクラスで、新しい仲間を見つけなければなりません。仲間と別れるのも辛いですよね。
学校は楽しいところではありません。辛く、苦しいところです。その辛さを、仲間とともに乗り越えてほしいと思います。そのために、いま何をすべきなのか、自分達で考えて、自分達で実行してください。」