ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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愛の反対は憎しみではない。無関心である。

今日は、短くします。・・・と言いながら、結局、長くなったけど。

冒頭の言葉、「愛の反対は憎しみではない。無関心である。」は、ノーベル平和賞を受賞したエリ・ヴィーゼルの言葉です(出典は、下の方に書いておきます)。

 

もともとの文章は特に教育に限定したものではないと思います。しかし、教育の世界でも、もちろん使えると思います。ただし、この場合の「関心」は、特定個人に関心を寄せるのではなく、「ひとりも見捨てない」、「ひとりとして無関心にならない」、が大切だと思います。

誰か特定の生徒を見ていると、他の生徒のことが見えなくなります。学級全体をつねに俯瞰し、いつも注意深く、個々の生徒や学級全体、生徒同士の関わり、集団と個の関わりなどを見続けることが大切かと思います。

やたら「手を出さない」ことも重要です。手を出すと、元の状態と異なる状態になってしまいます。ナマの様子が見えなくなってしまい、判断が鈍ってしまうかもしれません。よくよく聞いてみたら、先生の干渉がトラブルの原因だったということでは、目もあてられません。

 私は、朝の会や帰りの会で、ときどき「愛の反対は憎しみではない。無関心である」と語ります。「だって、自分の大切な人が怪我をしたときに、無関心でいたら恐ろしいと思わなかいかい?」と言うと、「なるほど、そうだなあ」と納得しているように見えます。

生徒同士も、お互いに、おだやかな関心(=愛情)をもって接すれば、誰かが何かで困っている時に、さりけなく手を差し伸べることができます。いまは自分は手を差し伸べることはできないかも知れません。けれど、自分の近くの友人が手を差し伸べるのを見ることができます。やがて、今までできなかった生徒も、お互いに助け合えるようになります。今年のクラスも、次第にそういうクラスになってきました。

 

■出典:

https://en.wikiquote.org/wiki/Elie_Wiesel

■引用:

The opposite of love is not hate, it's indifference. The opposite of beauty is not ugliness, it's indifference. The opposite of faith is not heresy, it's indifference. And the opposite of life is not death, but indifference between life and death. US News & World Report (27 October 1986)

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