ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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文字の式 第8回「式を簡単にすること」

教科書のページ:

p61-62

 

生徒に伝える評価の尺度:

  • 文字の部分が同じ項どうしをまとめて簡単にするためには、具体的にどのような方法を使いますか。自分なりに説明を考えなさい。
  • その説明を友達に説明して納得してもらえたらサインをもらいなさい。2人からサインをもらったら黒板に丸をかきなさい。
  • 問2から問4までの18問の問題を解いて丸つけし、間違えたものは正しくなおしなさい。

 

予想される生徒の反応:

分配法則を、同類項をまとめるために活用することを学習する。ただし、学級の1/3程度の生徒は、そもそも分配法則というものは何かが分かっていない。これを黒板で説明すると、あっという間に時間が経ってしまう。そこで次のように指示を出す。

 

「今日は、分配法則というものを使います。ポイントは教科書にちゃんと書いてあります。自分で読んで理解したり、友達に聞いたりしてください。もちろん、私に質問してもらえればていねいに答えます。
分配法則を用いて、ゴチャゴチャした式をシンプルにする方法を勉強します。シンプルにすると、いろいろと便利なことがあります。どんな式がシンプルな式なのかを考えながら、問題を解いてください。
答えは、皆さんのところにあらかじめ届けておきましたので、必要なら見てください。
問題は18問あります。時間はギリギリだと思います。頑張って、ひとりも見捨てないようにしてください。
では、作業開始です」

 

このようにすると、生徒たちは、「分配法則」、「シンプルにする」という2つのキーワードを頼りに、お互いに分からないところを伝えたり、教えたり、説明を考えたりする。
実際には、50分授業で、5分程度、時間が余ると思われる。したがって、「今日は、こんなに素早く全員が課題をやりとげました。みなさんすばらしい!」という評価が可能である。

 

板書の補足:

  • 分配法則の使い方
  • 5x + 3x = 5Xx + 3Xx = (5+3)Xx = 8x

 

教科書:

未来へひろがる数学(啓林館)

 

学年:

中学校1年生

 

(以下、毎回記載します・・・)

文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。

文責:高瀬浩之

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