ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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数学における「言葉」や「説明」について

私が担当している1年生と2年生の数学の授業は、順調に予定を消化し、1年生は文字式、2年生は連立方程式の単元に入りました。
単元の最初には、概念的な導入が多くあります。たとえば1年生なら、「文字を使うことのよさについて、理解する」などの内容です。
ただし、「文字を使うのは、いいことですよおお」と教師が伝えたとしても、生徒は実感を持つことができません。
おそらく、このような言葉はアタマの中を素通りしてしまうだろうと思います。

そこで、授業の目標として、「文字を使うことの良さを、自分なりの言葉で説明できるようになる」という目標を設定しています。
「◯◯の良さ」「◯◯の便利さ」などの言葉が出てきたときには、多くの場合、「その良さや便利さを、自分の言葉で説明できるようになる」という形で、授業の目標を設定しています。
このような目標設定の方法は、ひとつ間違えると、「説明したフリをして、なにもしないで授業が終わってしまう」という危険性があります。
そうならないようにするのために、きちんと、事前の準備(しかけ)が必要になります。

幸いにして、本校の生徒は、きちんと事前の準備もやってくれます。
したがって、授業でも「◯◯の良さ」、「◯◯の便利さ」について、きちんと考え、理解してくれます。
このことが、次回以降の授業で大きく役立ちます。
たとえば、式を変形したりする場合に、「前回の授業で、◯◯の良さについて学習したけれど、そのことは覚えているかな?」と発問し、もしも「ハイ」であれば、「したがつて、こういう風に変形すると、こうなるんだよ」と伝えていくことができます。

ついつい計算だけを指導しがちですが、「言葉」はとても大切だと感じています。

 

※イラストはイメージで、本文と関係ありません。

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