ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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『学び合い』、アクティブ・ラーニングで、作文を書く

昨日、合唱コンクールを含む、本校の芸術文化の祭りが開催されました。本日の1時間目は、昨日を振り返って全校で400字の作文を書く時間になっています。通常であれば、シーンとして静かに自分の作文を書くのだろうと思います。私のクラスでは、『学び合い』のアクティブ・ラーニングで作文を書きました。

生徒に示した課題(板書)
ア、昨日のことについて、50分以内に、全員が400字で作文を書きなさい。
イ、席は自由に動いてよいが、作文を集めるときには、生活班ごとにまとめて提出すること。
ウ、たくさん書きたい人は、内容を厳選して400字でおさめること。なかなか書けない人も、空白は残り3行程度まで頑張ること。
エ、書く内容や、文章の書き方について、自由に相談してよい。書き方が分からない人に対して、「こんな風に書いてみたらどうだろうか」と教えることも自由。
オ、50分後には、書き終わっていない人がひとりも居ないようにしてください。

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その結果、50分後には、全員が400字の作文を書き上げて提出できました。

なお、せっかく学級で使える時間でしたので、作文を書く以外に、2つほど並行して作業を行い、すべて時間内に完了しました。作文だけなら、実質30分程度で完了していただろうと思われます。

生徒の様子は、次のとおりです。
まず、最初の5分程度は、全員が無言でした。
5分程度経過したところで、学級のあちこちで声が上がりはじめました。
「ねえ、しゅんかん(瞬間)ってどう書くのー?」
「舞台の、そで(袖)って、どんな漢字~?」
「いっしょうけんめい(一生懸命)って書けないんだけどー?」
つまり、自分が文章を書こうとしているときに、書きたいけれど書けない漢字があるので、まわりの生徒に聞き始めたのです。そこで、(教室に常に置いてある)表も裏も白いA4の紙、つまりまだ印刷されていないタダの紙を、適当にパラバラと配り、「これ、何か書くのにつかってもいいよ」と小声で指示しました。
これをきっかけに、生徒たちは一斉に動き出し、数人でアタマを寄せあったり、同じパート(アルトとかソプラノなど)の生徒のところに歩いて行ったりという動きが始まりました。
10分程度経過すると、「できたー!」という声が出てくるので、「じゃあ、他の人を手伝ってあげてね」と教室全体に聞こえるようにお願いしました。また、「先生できましたー」とニコニコして持ってくる生徒もいるので、「よくがんばったねー。班ごとに集めているから、班の人と一緒にあとで持ってきてね」とお願いしました。

この「班ごとに集める」というのは、なかなか有効な手段だと思います。詳細は、別の記事にまとめますが、
ア、もともと自由に座席を移動してよいので、生活班ごとに学習をすすめているわけではないが、小規模なグループで集めることによって、「だれが、まだできていないか」を生徒自身が認識できる。
イ、班ごとにあつめることによって、「すでに提出した班」と「まだ提出していない班」が黒板に明示される(今年は6班編制)。すると「まだ完了していない班」は、その様子をみて、「おーい、早くしようぜー」と声を掛け合い作業が早まります。
ウ、「まだの班」の作業は早くなるのですが、実際には、班のワクを超えてお互いに助けあっているので、「まだの班」のメンバーに対して学級全体が協力していくという形になります。
エ、担任のわたしの仕事は、黒板に「◯◯の作文を、◯時◯分まで提出する」「123456」とかかれた場所で、それぞれの班ごとに提出されたものに名前があるか、内容に不備がないか確認しながら、数字に◯をつけるだけです。すべての数字に◯がつけば、作業完了です。
オ、なお、提出されものの一部に不備があれば、「これは、こういう点で不十分だよ。やりなおしー」と言って、全員、差し戻します。全部そろわないと提出できないので、「だめだったってさーー」、「えーー、なんでーー」、「なんだ、オマエ、これやってないじゃんーー」などと言いながらワイワイ作業を続けます。