平面図形 第8回「弧、弦、中心角」
教科書のページ:p143-p144
生徒に伝える評価の尺度:
- 「弧」「弦」「中心角」を漢字で書けるようになる。
- 弧、弦、中心角の記号の書き方や意味がわかる。
- 中心角が180度の場合について理解する。
- 教科書のp143からp144の問題を解き、解き方を2名に説明してサインをもらう。
予想される生徒の反応:
前回までは「直線でできる図形」について調べたが、今回から円に関する学習が始まる。教科書では「クラスに班が5つあるときに、円を5等分して当番表を作ろう」という課題(とびらの問題)を導入課題として設定している。円を5等分するときには「72度」が必要になるので、この段階では生徒は分度器を使うことになる。「最初は、いろいろな道具を用いて図をかき、慣れてきたら次第に定規とコンパスで作図する」という流れは、「直線でできる図形」の学習のときと同じである。
「とびらの問題」では、「どのようにしてつくつたのか」「どのようなことがわかったのか」を説明してみようという課題が設定してある。そして指導書では、
- 円の面積も5等分される
- 正五角形ができる
- 弧の長さは中心角に比例する
- 二等辺三角形が5つできる
- 正五角形のひとつの角は108度になる
という事柄を「わかること」の例としてあげている。『学び合い』では、最初に課題を与えるときに、これらの答えをすべて生徒に提示してしまう。そして「教科書では、このような答えを、わかることの例としてあげているが、これ以外にもわかることがないか、それぞれ調べてみてほしい」という形で生徒に思考をうながす。
実は、上の5つの中には「ひとつの中心角は72度になる」というものが含まれていない。しかし、円を5等分する過程で「72度」は、ほぼ確実に生徒の意識にのぼってくるので、生徒はこの答えを「みずから発見」することになる。また、導入の課題は、各自が自由に考えることが重要なので、ここでは正解を与えず、あとで答え合わせもしない。ただ単に「考えてみてもらいたい」と投げるだけである。
さて、「弧、弦、中心角」についてだが、最初に「漢字がきちんと書けること」という課題を提示する。このことで、弧や弦という言葉をくり返し使うことになる。使いながら「弧は、まがっているけれど、弦は、まっすぐ」という違いがわかっていく。また、中心角が180度の場合については、実際に2本の定規や2本の鉛筆等を用いながら、あーでもない、こーでもないとお互いに説明することになる。
課題は少ないように思えるが、実際には「中心角が180度ならは直径になる」というところが難しいので、生徒は時間ギリギリまで話し合いを続けることになる。
板書の補足:
- 弧、弦、中心角について意味や記号の書き方を調べよう。
- 実際に自分で作図して、理解を深めよう。
教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生
(以下、毎回記載します・・・)
文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。
さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。
冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。