変化と対応 第12回「基本のたしかめ、章末問題」
教科書のページ:p122-p123
生徒に伝える評価の尺度:
- 比例や反比例の式の求め方を確認し、正しく式を求めることができる。また、比例の式や反比例の式の求め方を説明し、納得してもらえたらサインをもらう(合計2人)
- 座標について復習し、比例や反比例のグラフを正しく書けるようになる。友だちに見てもらって、正しく書けていたらサインをもらう(合計2人)
- ※サインは、のべ4名からもらう(2人が2つずつサインしてもよい)
予想される生徒の反応:
比例も反比例も、比例定数を求めることができれば、式を求めることは簡単である。しかし、反比例の場合の比例定数が「xとyを掛ければ求められる」のに対し、比例の場合の比例定数は、ある程度の計算をしないと求められない。生徒は直前の授業では反比例の場合の比例定数を求めているので、すでに「比例の場合の比例定数」については忘れてしまっている可能性が高い。そこで、授業の最初に、ア)本時で扱う問題は、どのような分野の問題なのか、イ)その分野については、過去のどの授業で扱っているか、を確認し、生徒が思い出しやすいように配慮する。
わたしの授業では、それぞれの授業にD03、D05、D08などの記号をつけている。具体的には、
- A01~A18 正の数・負の数
- B02~B14 文字の式
- C01~C11 方程式
- D01~D13 変化と対応
となっている。個々の授業は、この記号で管理しているので、生徒のノートにも授業の記号が必ず書かれている。そして、そこには自分自身の文章や計算がたくさん書かれているので、当該ノートを見れば生徒は自分自身がどのような学習をしたのかを比較的簡単に思い出すことができる。
さて、本時の問題については、多くの生徒は復習しながら正答にたどりつくことができるだろう。問題なのは、比較的低位の生徒で「どの問題も中途半端にしか分からない」、「どの問題も、完全に解き方を忘れてしまって手がだせない」という生徒である。問題数も比較的多いので、できるだけ早いタイミングで他の生徒と関わりを持ち始めるようにしないと、「ほかの生徒に教えてもらったけれど、実際に解答にたどりついたのは、全体の3割程度」という結果になる。
そこで、授業の最初の方で、ウ)今日は問題の量が多いので、苦手な人を早めに助けないと終わらない、エ)今日もひとりも見捨てずに全員が達成できるようにみんなで努力しよう、ということを伝えておく。
板書の補足:
- 復習しよう。
- 関数とは⇒[D01]、座標とは⇒[D05]、式の求め方⇒[D03、D08]
教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生
(以下、毎回記載します・・・)
文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。
さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。
冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。