ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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文字の式 第2回「数量を文字で表す」

教科書のページ:

p51

生徒に伝える評価の尺度:

  • 問2、問3、練習問題[1]を解き、まるつけして間違いをなくす。
  • 解き方をクラスの人に説明して、納得してもらったらサインをもらう。
  • サインが3人になったら、黒板に◯をつける。
  • クラス全員が◯になるように、全員で協力する。

予想される生徒の反応:

文章を読んで、文字式に簡潔に表現することを学習していく。小学校では、文字が1つだけの場合を扱っている。中学校では、文字が2つになる。そして、2つの文字の式を足すなどしてひとつの式にまとめていく。

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まず、文章を式になおすことが課題である。日本語の文章をよみ、その意味を理解し、そして情報を読み取らなければならない。しかし、生徒ひとりひとりの発達段階は異なっているので、漢字が読めなかったり、単語の意味がわからなかったり、どの数量を文字で表すのか分からなかったり、数量と数字を読み取ることはできても加減乗除のどの演算を用いるのかが分からなかったりと、それぞれの生徒によって「つまづくところ」は異なっている。

題材が基本的であるほど、一斉授業ではすべての生徒に対応することは難しい。このような場合には、到達すべき課題と目標を最初に明示し、そこに至る課程は生徒にまかせた方が、より多くの生徒が確実に理解に達することができる。

なお、上に述べたとおり、本時では「ふたつの文字」を扱う。この際には、ア)ことなる数量を表すときには、別の文字を用いること、イ)ひとつの種類の文字が複数回出てきたときには、もしも具体的な数を代入する場合にはどの文字にも同じ数を代入すること(未修事項)をおさえておく必要がある。

このため、授業の冒頭で、次のように説明すると良い。

「前回につづいて、今日も、文章から式をつくる練習をします。今日は、ひとつの問題の中に文字が2種類出てきます。ひとつの問題のなかに、いくつかのモノが出てきたら、それらは別々の文字で表さなければなりません。文章を読んで、式をつくる方法を勉強してください」

板書の補足:

  • 「ことなる数量」を表すためには、別の文字を使います。
  • ひとりも見捨てずに、全員が説明できるようになるまで、がんばろう

教科書:

未来へひろがる数学(啓林館)

学年:

中学校1年生

(以下、毎回記載します・・・)

文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。

文責:高瀬浩之