ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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文字の式 第4回「文字式と数量」

教科書のページ:

p54~p55

生徒に伝える評価の尺度:

  • 問7から問11までをやりとげる。
  • 間違いは、答えをみて正しくなおす。
  • 問10と問11について「なぜそういう答えになるのか」を友達に説明し、サインをもらう。
  • 2人からサインをもらったら、黒板に◯を書く。


予想される生徒の反応:

数量を表している文章と、文字をつかった式との間を、自由に行き来できるようにするための練習を行う。ここで「数量を表している文章」は、具体的には「時速4kmで、x時間歩いたときの道のり」などの文章である。ここには「4」と「x」の2つが現れるが、「4+x」「4-x」「4x」「4/x」の4種類の計算が考えられる。生徒は、与えられた文章から正しい計算方法を判断し、さらに文字式の表し方のルールを適用して正しく答えなければならない。しかし「わからない生徒は、自分がどこが分からないのかが分からない」という状態であり、個別に援助が必要である。

また、%や歩合を用いた計算は、小学校でも修得が困難であり、今回の授業でなんとか苦手を克服したいところである。これも、それぞれの生徒でひっかかっている場所が異なっているのが普通である。

いずれの場合にも、生徒同士で学び合うことによって、それぞれの生徒が苦手としているところを浮き彫りにし、克服していくことをめざす。

授業の後半では「文字式の意味を考え、文章で表現する」ことを学習する。この部分が、今回の授業で「新しく学習すること」である。そこで、授業の冒頭で次のように生徒に投げかける。

「いままで皆さんは、文章の意味を考えて、文字を使った式をつくってきました。今日は、その逆に挑戦します。文字を使った式を見て、それがいったい何を表しているのか、謎解きをしてください。そして、その謎解きが正しいことを、きちん説明できるようにしましょう」

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これをふまえて、上の評価の尺度では、問10と問11では文字を用いた式から文章をつくる作業を行い、「なぜ、そのような文章になるのか」を説明するように要求している。

 

板書の補足:

  • 文章をもとにして、文字を使った式をつくろう。
  • 文字を使った式をみて、それが何を表しているか文章で書こう。


教科書:

未来へひろがる数学(啓林館)

 

学年:

中学校1年生

 

(以下、毎回記載します・・・)

文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。

文責:高瀬浩之