ひとりも見捨てないことを、あきらめない

学校教育、社会教育、数学、技術家庭科、Youtube、EdTech、ICT、プログラミング、その他

『学び合い』で、合唱コンクール

本日は、本校の合唱コンクールでした。

担任している1年生のクラスは、「マイ・バラード」を歌います。1年生の曲は、元気で活発な曲が多いのですが、「マイ・バラード」は、歌詞のなかに<愛のメッセージ>という言葉があるなど、しっとりとした感じの曲です。このため、普通に歌うと平板な感じになってしまい、おもしろさがありません。

また、本校では学校から歩いて行けるホールで合唱コンクールを実施します。学校の教室や音楽室で歌うのと、感じがまったく異なります。1年生は入学して最初の合唱コンクールですので、自分の声が自分で聞こえないなど、戸惑う可能性が高いと思われます。

以上2点について、音楽を担当している先生からアドバイスをいただいたので、それを生徒に伝えるにあたり、次のように『学び合い』を実施しました。

【課題】:

次のことについて、クラスの中で普段、あまり話をしない人と意見交換しなさい。そして、ひとりも見捨てずに、全員が全力を出せるように、お互いに励ましてください。

ア、前奏のあとで、「みんなで」と歌うところでスピードがとても遅くなる。練習では上手に遅くなっているが、本番では指揮者があせってしまう可能性がある。そこで、クラスの全員が指揮者に対して、「ちゃんと遅くするんだよ」と伝えて下さい。

イ、「愛のメッセージ」と歌うところでは、言葉を大切にして歌わなければならないが、「言葉を大切にして歌う」ということを理解し、実行するのはとても難しい。そこで、どうすれば上手に「愛のメッセージ」が歌えるか話し合い、自分なりの方法で上手に歌えるようになりなさい。

ウ、本番で歌うホールで初めて舞台に立つので、とても緊張してしまう可能性がある。そこで、普段から緊張しそうな人に対して、事前にたくさん話をして励まして、舞台で緊張したり身体が固くなったりしないようにしなさい。

---

合唱コンクールが終了して、学校に戻ってきてから簡単な感想文を書きました。
「本番直前までお互いにアドバイスしあうことができました」
「私は人前に出るのが本当に苦手だったけれど、会場に行くまでの間や直前のすごく緊張していた私に、皆が声をかけてくれました。このクラスで本当によかったです」
「みんなお互いに声をかけあって、そのせいでみんなが変わってきて、クラスがまとまってきたと思う」
「歌う前とてもきんちょうしたのですが、みんな声かけてくれたので笑顔で歌えました。本当に楽しかったです」
「これまでいろいろ試行錯誤して、みんなで直して、でも次の日になると忘れてしまうから、また直して、本番をむかえて、直前までみんなでこうしようああしようと話し合って、このクラスは最高です!」
「思った以上に他の人の声が聞こえなくてびっくりして、一瞬、不安になったが皆を信じて歌いました。練習してきたことを全部行い、笑って歌いました」
「舞台に行く前も、みんなで声をかけ合っていて良かったと思う。歌っているときは、全力を出して歌えたので満足!」
「今までがんばってきたことを笑顔で楽しく発表できました。みんなで声をかけあう事もできたのでよかったと思いました」

などなど・・・です。

1学年は7クラスありましたが、生徒たちの努力が実り、最優秀賞を獲得することができました。上に書いたとおり、担任の私は、音楽の先生の話を『学び合い』の形で生徒に伝えただけですので、生徒たちの手柄だと思います。