ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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正の数・負の数 第6回「数直線と大小関係」

教科書のページ:p19-p20

生徒に伝える評価の尺度:
ア、教科書の問4から問6までの問題を、数直線を用いて解答する。また、どのように解答したのかを2人に説明し、納得してもらえたらサインをもらう。
イ、練習問題の[1]から[4]までの問題に答える。数直線は使ってもよいし、使わなくてもよい。どのように解答したのかを2人に説明し、納得してもらえたらサインをもらう。

予想される生徒の反応:
 問題文のなかに、「-8大きい」「8小さい」「-4小さい」「4大きい」などの表現が含まれているので、「性質が反対の言葉を用いるときには、プラス・マイナスを反対にする」ことを復習することになる。
 前回(第5回)の続きで、数の大小と絶対値とを相互に関連づけながら、大小関係について考えていくことになる。ひとりひとりの生徒にとっては、前回と今回の授業内容は連続している。また、理解の度合いは、前回のうちにほとんど完全に理解している生徒もいれば、今回の授業の最後の方でも悩んでいる生徒もいると予想される。したがって、ひとりひとりの生徒にとっては「似たような授業を2回やっている」というのが実感だろうと思われる。
 しかし、クラス全体にとっては、今回の授業のもつ意味は大きいと思われる。なぜなら、今回の授業では、「正負の数を含めた数直線上の任意のふたつの数に対して、大小関係を考えることができる」ということを、集団の共通理解とすることができるからである。そもそも、数直線上には無数の数が存在するのだから、そのうちの任意の数を「すべて」取り出して比較することは、有限時間では不可能である。にもかかわらず「大小比較ができる」という自信を持てるのは、集団で話し合いながら実際に大小比較を行い、たとえ自分がうまくできなくても、他の生徒の助けを借りれば大小の比較ができることを「実感」し、そのことによって「任意の2つの数であっても、他者の助けがあればできるだろう」という共通理解があるからである。
 前回の授業では、さまざまな言葉を使いながら、とにかく大小比較をしてみようというレベルが到達目標であった。今回の授業では、正負の数全体で大小関係を考えることが可能であるという自信をもつことである。このことが理解できたか否かを判断するために、たとえば「絶対値が22/7よりも小さい整数をすべて列挙せよ」などの問題を用いることになる。

板書の補足:
今日の目標:クラスの全員が、数直線をつかって大小を考えられる自信をもつ。

マイナスの数が出てきたら、「大小」を逆に考える(復習)。
数直線を用いると、「大きい数は右へ」、「小さい数は左へ」と考えられる。
正負の数を考えることで、自由に大小関係を考えることができる。


教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生

(以下、毎回記載します・・・)

 文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

 さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

 冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。