ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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文字の式 第11回「文字式の加減乗除」

教科書のページ:

p66-p66

 

生徒に伝える評価の尺度:

  • 教科書の問6、練習問題の[1][2]を計算し、答えを出す
  • 間違いがあったら、正しくなおす。
  • 自分で「難しいなあ」と思う問題を3問選ぶ
  • その問題の解き方について、説明を考える。
  • 実際に説明して納得してもらったらサインをもらう
  • 2人以上からサインで、黒板に丸をつける

 

予想される生徒の反応:

今回は、教科書1ページだけの課題である。しかし問題数は合計27問なので、とても忙しい。精一杯頑張ったとしても、おそらくクラスの1割から2割程度は課題を達成しない可能性がある。

今回、はじめて教科書に「例題」が登場する。前回の授業でも、単純な書き込みではなくノートに書くという作業を行ったが、今回の「例題」も、「こんなふうにノートする」というお手本として与えられている。したがって、授業のなかでもそのことに触れる。

問題を解く際にも、ノートに書くように指示する。この時点では、まだあまり「美しいノートの書き方」には、あまり触れないようにする。ノートをキレイに書くことにこだわってしまい、肝心の数学的な思考が止まってしまう可能性があるからである。

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内容的には、複数のカツコのある分配法則の問題や、割り算を逆数を用いて掛け算に変え、さらに分配法則を用いる問題などが主である。また、単項式に数をかける計算も、もういちど学習する。

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一般的に、『学び合い』アクティブ・ラーニングの授業では、いままでの一斉指導の授業に比べて、生徒たちが授業で取り組む問題数は、1.5倍から2倍程度に増えると思われる。
しかも「先生が説明して板書をノートに写す」だけでは、内容理解にはつながらないが、『学び合い』アクティブ・ラーニングでは、生徒ひとりひとりが自分の言葉で数学の問題について話し合い、説明し、質問し、回答し、そして正しい結論にたどりついていく。
最初に、このような授業をみた先生方は、一様に目を丸くする。そして、「どうすればこのようなことが可能なのか」と質問する。答えは、極めて単純である。
しっかりとした課題を与えれば、生徒はできると信じること。
「ひとりも見捨てないでやりとげなさい」と、くりかえし伝えること。
この2つに尽きると、私は考えている。

 

板書の補足:

  • 「例題」は、ノートのとりかたのお手本です。
  • まねして、自分のノートを書いてみましょう。

 

教科書:

未来へひろがる数学(啓林館)

 

  • 学年:

中学校1年生

 

(以下、毎回記載します・・・)

文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。

文責:高瀬浩之