ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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『まんがで知る教師の学び』 前田康裕 著

 5月6日に届きました。マンガで書かれているということもあり、一気に読みました。本書のp22に書かれている「学ぶとは、何かに気づき、自分が変わることである」という言葉には、私もとても共感します。題名にあるとおり、この本を教師の皆さんが読み、何かに気づき、そして変わることができればいいなと思います。

 と同時に、一度だけ本書を読んで一度だけちょっと変わるのでは、もったいないなとも思います。一人ひとりの先生で程度の差はあると思いますが、いろいろなことに気づき、ずっと変わり続けるなければならないでしょう。そのような「学び続ける力」を教師自身が持つ必要があると思います。

 本書の末尾に、「文部科学省アクティブラーニング研究開発指定校」とありますが、アクティブ・ラーニングの目的は、このような学び続ける力を身につけることだろうと思います。

 ところが現場の先生方のほとんどは、御自分が子どもだったときには、アクティブ・ラーニングを経験していません。最近になって、アクティブ・ラーニングという言葉を聞くようになったとしたも、やり方については未経験です。そして、多くの先生方は、「なんとなく自分には合わない」と感じているだろうと思います。

 それでも、いろいろな事情から、学校現場ではアクティブ・ラーニングが求められています。アクティブ・ラーニングを成功させるような万能の答えは存在しないでしょう。でも「やらない」とは言えません。「アクティブ・ラーニングは、いままでのグループ学習や、調べ学習と同じだよ」とおっしゃる方もいますが、違います。なぜなら目的が違うからです。また「研究授業のときに、たまに、やればいいんだ」という先生もいますが、実際には、日常の学びのスタイルそのものを、アクティブ・ラーニングに変えていくことが求められています。

 これは、文部科学省だけが求めているのではなく、日本全体が教育現場に対して求めている(したがって教育現場としては逃れようがない)と考えるのが妥当だと思います。

 大多数の先生方が、自分自身の教え方を変えなければならないだろうし、教育そのものに対する考え方を変えなければならないという時代になってきています。「でも、そんなことは、できないよ」とおっしゃる方もたくさんいるでしょう。そういう皆さんが、まず最初の一歩を踏み出すために、本書は大変有効ではないだろうかと感じました。

 たくさん書きましたが、要約するとひとことです。「買ってよかった!」

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