ひとりも見捨てないことを、あきらめない

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平面図形 第3回「平行、図形の移動」

教科書のページ:p131-133

生徒に伝える評価の尺度:

  • E01,E02,E03の三種類の距離について、その違いを理解すること。
  • 定規を用いて、垂線や平行線が作図できるようになること。
  • 平行移動とはどんな移動なのか説明できるようになること。
  • 具体的に図形を平行移動する方法について理解すること

 以上の4つについて他の人に説明できるようになること。実際に説明してみて、納得してもらえたらサインをもらうこと。クラスの全員が2人ずつサインをもらうようにしてください。

予想される生徒の反応:
 授業の最初に、「最近の3回の授業で3種類の距離を学習している。同じ言葉だが、それぞれの意味や求め方が異なるので、区別して理解しなければならない。実際に作図したり、3種類の距離をそれぞれ説明することを通して、3種類の距離について理解しよう。また移動についても、実際に作図してみよう」と呼びかけて、生徒の学習がスタートする。
 点と直線との距離を調べるときに、垂線を書かずに斜めに線をひいてしまう生徒が出てくるので、「実際に長さを調べて、他の人とくらべてごらん」と指示する。
 また、図形の平行移動では、移動する前と移動したあとの形が違っていたり、点Aを点Pに移動させなければならないのに、間違えて点Bが点Pを移動させてしまい、結果として移動先の図形の位置が正解とは異なってしまうことも起こりうる。それぞれ、「他の生徒と図をくらべてごらん」と指示する。
 距離に関する説明では、やはり「距離が3種類もある」ということに戸惑う生徒が出てくるので、とりあえず周りの生徒とのやりとりを観察し、なかなかうまくいかない場合には、「距離って何種類あるのかな。E01とE02とE03の距離を、順番に調べてみたらどうだろうか」という形で生徒の議論に少しだけ加わるとうまくいくようである。
 なお、問題の答え方として、中学校1年生の段階では図形の対応関係があまりテストに出てこないので、いろいろな答えがありうる。そこで「答えの書き方としては、どれも正解だが、皆さんがこの答えをみると、自分が正しいのか正しくないのか不安になると思う。そこで、実際に答えを出してみてから、友だちと話し合って自分の答えが正しいかどうかを確認してもらいたい。見かけが違っているからといって、すぐに消しゴムで消してしまうのでは、理解は深まらない」と伝え、生徒同士の議論が活発になるようにうながす。

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板書の補足:

  • コンパスを使わずに三角定規だけで平行線を書く方法を調べよう。
  • 実際に、図形を平行移動してみよう。


教科書:未来へひろがる数学(啓林館)
学年:中学校1年生

 

(以下、毎回記載します・・・)

 文部科学省が積極的に推進しようとしてる「アクティブ・ラーニング」では、生徒が自分自身で意欲をもって学習に自主的に取り組み、お互いの意見交換を通じて、生徒が自分自身で学習内容を習得したり、解決方法を見出したりすることを重視しています。また、単に知識・理解だけでなく、「ものごとを最後までやりとげようとする。また、実際に最後までやりとげる」、「自分だけではなく、クラスの友人のことも考えながら、ともに学習をすすめようとする」、「他者を助けることを尊び、実際に協力しながら他者を助けていく」などを重視しています。

 さらに、生徒が自分自身で自分の到達度を確認・評価し、自分自身の向上のために役立てていくことが求められます。このため、生徒に示す評価の尺度は、生徒自身が理解できるような言葉でなければなりません。

 冒頭の学習内容において、もしもアクティブラーニングを実施するとしたら、どのような評価の尺度を与えるのがよいか、また、その際に予想される生徒の反応はどのようなものかについて、記載しています。「実際の授業」とは、授業の進め方などは異なる場合があります。また、「常にこのような形で授業をしている」わけではありませんので、御了承下さい。